簡易ダミーヘッド「身代わり君」
私が教えている学校には美容学科があり,ヘアーカットの練習用としてウィッグが使われている. これを使えば,バイノーラル録音時に使うダミーヘッドマイクが作れないかと考え,学生達と製作してみた.
まず,不要な髪の毛を取るために固定用のプラスチックを外した. 顔表面はゴム製で,中身をポリウレタンで固めてあった. ポリウレタンを丁寧に掻き出した.
次に耳に穴をあけ,エレクトリックコンデンサマイク(共立電子で150円)を両耳にねじ込んだ.
プラスチックの固定台に穴をあけ,三脚が固定できるように金具をつけた. 頭部はゴムだけになって,フニャフニャなので,綿をぎっしり詰め込んで吸音効果を狙った.
使用してみると,音の定位がしっかり聴こえる. 廃品と安いマイクだが臨場感はしっかり録音されていた.
周囲雑音が多いのはこのマイクの欠点であるが,パソコンに音を取り込んでから, ノイズリダクションをかけることでかなり改善される. ただこのマイク,外見が不気味であること.. 風防処理も兼ねて毛糸の帽子をかぶせている. このマイクで録音した音は,ヘッドフォーンで再生すると臨場感あふれる 音が再現される.
学生達は悪ノリ(?)して,両目にビデオカメラを仕込んで, 首をステッピングモータで左右に動かせるようにしてしまった. 双眼鏡のような小型モニタを作り,画像を見るとかなりの立体感が出ていた.
ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォーンを組み合わせると, その場にいるような感覚になるのではないだろうか..
おまけ.. 不気味なダミーヘッドを持ち歩くだけの勇気がないので,ヘッドフォーン型のマイクを作ってみた. 初期タイプは,イタリアに持ち込んで教会の鐘の音や街の音を録音してきた.
現在は改良型を使用している.
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