<6JU8/A>
Quadruple Diode 4重2極管
9Pin M T
1 - 4P Eh = 6.3V
2 - 3P, 4K Ih = 0.6A
3 - 3K
4 - H Ei = 300V
5 - H Ikdc = 9mA
6 - IS
7 - 2P
8 - 1P, 2K
9 - 1K
6JU8で作ったDBMダプルバランスドミキサ
6JU8A(検波用 2極管,4つ入り)を使って DBMを作ってみました.
回路は普通,ショットキーバリアダイオード 4本(またはモジュール)使うところを6JU8A 1本で
やるというもので,DBM のトランスはフィライトビーズ,FB-801-43 に 0.2mm ホルマル線による
トリファイラ,4T という定版であります.
入力(f1,f2)は 14.010MHz と 14.020MHz の 10kHz セパレーションの 2トーンで -10dBm から
0dBmまで 2dB ステップ,局発(Lo)は 12MHz とし,5dBm から 20dBm の間,5dB ステップで
変えながら,IF 出力(2MHz帯)をスペアナで観測し,基本波(f1-Lo,f2-Lo),3次相互変調積
(2*f2-f1-Lo,2*f1-f2-Lo)のレベルを測定したものです.
6JU8A(RAYTHEON)を使った DBM と,同じトランスでショットキーバリアダイオード1SS43 を
4本使ったもの,さらにメーカ製の DBM としてMCL 社の SBL-1 を測定してあります.
1SS43 と SBL-1 は大差なく, SBL-1の方が少し良い程度で,どちらも到底 0dBm の信号は
通りません.ところが,6JU8Aを使ったものは,0dBm の信号がほとんど無ひずみで通るのです.
入力レベル 0dBm の時の出力のスペクトルを 6JU8A と 1SS43 の DBM について添付しました.
1SS43 と SBL-1 は 3次相互変調積の増加のしかたがあまり自然ではなく,入力 3次インター
セプトポイント(IP3)を明確に定義しにくいのですが,1SS43 で +15dBm〜+18dBm,SBL-1 では,
+16dBm ~ +19dBm 程度となります.局発を+5dBm 以上に増加させても IP3 はそれほど改善されません.
一方,6JU8A の方は,奇麗に 3次相互変調積の増加が入力に対して1:3 の比率を保っており,局発が
+20dBm でIP3 は +28dBm 位はあり,さらに局発のレベルを増やせばまだ改善できそうです.
DBM特性 (31KByte)
6JU8A のDBM の測定結果を冷静に見直してみたのですが,やはり変換ロスが多いのは受信機の
フロンロエンドとしては問題で,普通のショットキーバイアダイオードのDBM が 5〜6dB の
ロスなのに対して 6JU8A のDBM は10dB を少し超えますから4〜5dB は悪いです.
ロスが多いのは電流-電圧特性の立ち上がりがゆっくりしていることが原因で,いいかえれば
ダイオードの ON 抵抗が高いことになります.
それならば,普通のダイオード式ミクサで個々のダイオードに直列に抵抗を挿入して,いわば真空管を
シュミュレートしてやったら,ハイレベル向きの性能のいいミクサになるのではないかと思ったわけです.
前回の測定では同種のコアに同じ様に巻いたトランスを使っていましたが(6JU8Aと 1SS43)今回は
9pin の MTプラグ(サトーパーツ)の上にダイオード等を乗せて,真空管の様に,とっかえひっかえ
測定しており,同一のトランスで測定しています.
ダイオードとしては手元に残っている 1SS43 と現行品種の 1SS97,1SS97 に直列に33 オームを挿入
したものを使いました.
結果は 1SS43 と 1SS97 に大差はなく,トランスが別物だったこともあり,前回よりは少し性能はいいです.
1SS97 に直列の抵抗を挿入した 1SS97x4_SVT はハイレベル時の性能が 6JU8A 並みに良好になって
いて,0dBm を通すことができています.
変換ロスは 1.5dB 程度増加して6.5dB 位になりましたが,この程度なら問題ないでしょう.
IP3 で 27dBm 位になっています.
DBM特性1 (20KByte)
このページの実験データは,林 輝彦氏よりご提供いただきました.
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