ノスタルジア追想の旅 旅行記

8月13日(火) フィレンツェ,モンテルキ,アレッツオ.

6時頃起床.早起きして,ベッキオ橋周辺を散歩.. 昨夜の人通りがウソのように静かな町並み. このあと訪れるウフィッツ美術館前も人が全くいなかった. 散歩中,名古屋から来た夫婦にベッキオ橋をバックに撮影してもらった. 彼らは,フェラガモの本店を撮影しに来たという..え,どこが本店? まったく関心のない私達は,本店を目の前にしていたのに全く気づかなかった. 散歩を終えて,朝食を食べてから8時15分に予約入場しておいたウフィッツ美術館へ. 私達はすぐに入場できたが,一般客は既に長蛇の列であった. 歴史ある美術品を堪能しようとしたが,日本の団体観光客に邪魔をされてしまった. ある作品を見ていたら,団体客が集まりだし同行ガイドが説明を行った. これが大きな声だっただけでなく,添乗員らしい人物が勝手に聞くなと クレームをつけてきた.こちらが先に鑑賞していたのに 無理やり聞かせているのはそっちだろと言いたくなった. こんなことが2回あり,さらに美術館なのに出口付近では,ガイドに対して 拍手をするグループがあるなど,最悪のマナーだった. しかし,作品はどれも素晴らしく,開放的な展示方法には圧倒されてしまった. ホテルに戻り荷物を置いて,歩いてフィレンッエ駅に出かけた. 今日の予定はアレッツオ経由でモンテルキへ出かけるのだ. 道々,ジェラート屋によってみる.店員の男性とあれこれ話していると どんどんジェラートをサービスしてくれた.彼はポンペイの出身だと話していた. とにかく陽気な兄さんであった. フィレンッエ駅のマクドナルドで時間を調整し,12時17分発の快速 (インターシティ)に乗る.もう日本人を見ることはなかった. 30分ほどでアレッツオに到着.フィレンツェに比べたら静かな街だ. バスチケットを買い,モンテルキ行きのバスに乗る. 途中,LE VILLEというところでバスを乗り換える. 14時前にモンテルキに到着. 小高い丘を登り,目的であるマドンナ・デ・プラトー美術館へたどり着いた. ちょうど午後の開館直後で待ち時間なく入館. ここには「ノスタルジア」の教会シーンで出てくる絵画マドンナ・デ・プラトーが 展示されている. 実はこの美術館にはこの作品だけしかないのだ.訪れる人は余程の美術ファンか タルコフスキーに興味のある人だけだろう. 映画のはじめのシーンで教会とこの絵画が出てくる.一見してみると絵画のある場所で ロケしたと思われるが,そこはタルコフスキーである. 絵画はモンテルキにあるマドンナ・デ・プラトーで,教会は別の場所 トゥスカーニャで撮影されていたのだ. フラッシュを使わなければ,撮影OKだったのであれこれ撮影していた. そうしたらある若い女性が私に,「ここで写真を撮ったらダメだ!」と 強く言うではないか...???と思っていたが,必要な撮影を終えていたので, 売店で解説本や絵はがきを買い,美術館をあとにした. さて,この後が大変だった. バス停で時刻を確認したらなんと祝日で運行が間引かれていた. さらにバスの時間をあらかじめネットで調べておいたのだが, 時刻表の見方を間違い,休日と平日ダイヤを混同してしまっていた. バス停で待っていてもバスが来ない.心配していたら別の道からバスがやってきて 停車した.すかさず駆け寄り運転手に尋ねたら,当分バスが来ないからLE VILLEまで 乗せてあげるという.行為に甘えて同乗させてもらった. LE VILLEのバーでバスチケットを買い,時刻を確認したらあと1時間は待たなければ ならない.ちょっと気落ちして時間待ちをしていたら, さっきクレームをつけた女性がやってきた. 私をみつけて,「あの画は撮影OKでした.間違っていてゴメン」と 話しかけてきた.そうでしょう.そうでしょう.だって「 No Flash 」って 書いてあったんだから. 彼女の名前はアガタといい,ポーランドのワルシャワからやってきた19歳の美術学生. 美術史を専攻していると話していた. どうしてモンテルキへ来たの?と聞かれたので,「タルコフスキーのロケ地を訪ねている」と 答えたら,アガタも大ファンだという. アレッツオまでのバスの中は映画の話で大変盛り上がった. アレッツオに到着してから3人で市内を一緒に回ることにした. まず,映画「ライフ・イズ・ビューティフル」のロケ地である グランデ広場を訪れた. お〜,この坂道は..まさしく映画で見た場所だ. ちょうどキリスト教の祝日前に訪れたので,周りは飾り付けの最中. 飾ってある旗が印象的だった. グランデ広場から歩いて,アガタが見学予約していたサン・フランチェスコ教会へ向かう. ここはマドンナ・デ・プラトーと同じピエロ・デッラ・フランチェスカ作のフレスコ画がある. 中に入って画を観たがその美しさと教会の荘厳さに圧倒されてしまった. その後,アガタと街を散策したが,あっという間にフィレンッエに戻る時間になってしまった. 名残惜しいがアガタとお別れし,快速でフィレンツェ駅に戻った.時刻は20時半になっていた. タクシーでホテルに戻り,近くのレストランで夕食を食べた. 彼女は疲れてすぐに眠り込んでしまった. 私はベッキオ橋夜景を撮影するために機材を持って街中に出かけた.

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